講演会他

日機連講演会 JIS発行間近!「機械安全規格の紹介」を開催

 日機連では、国内産業への機械安全普及活動の一環として毎年度講演会を開催し、主要な国際規格を紹介する他、機械安全に関係する幅広い情報を発信している。

 今年度は「機械安全規格の紹介」と題して、平成30年11月1日(木)に浜離宮朝日ホール 小ホール(中央区築地)において329名の参加者を得て開催した。

 

 本講演会では、日機連が国内審議団体となっているISO/TC199(機械類の安全性)及びIEC/TC44(機械類の安全性-電気的側面)の概要と最新動向を国内委員会の各主査が紹介した。

 ISO/TC199では、山田陽滋氏(ISO/TC199部会主査 名古屋大学)より10月18日に中国(南京)で開催された総会の報告が行われ、同氏がコンビナを務めるISO/TC199/WG12が担当するISO21260(機械の可動部分と人が物理的に接触することに関する安全データ)の概要と開発状況、また日本が主体となって活動している支援的保護システム(ISO/TR22053)の開発状況を報告した。

 引き続き、杉田吉広氏(テュフラインランド)より、ISO13849-1(制御システムの安全関連部)の概要、また本規格の第3版(2015年発行)発行後、すぐに第4版の改正作業が開始されていることから第4版での変更予定の箇条等を紹介した。さらに、第3版を基にしたJIS原案の作成は終了し、現在日本工業標準調査会(JISC)の審議待ちであることが紹介された。

 IEC/TC44では、福田隆文氏(IEC/TC44部会主査 長岡技術科学大学)より、まず初めに一般的な規格開発の過程を紹介した後、我が国の安全技術を国際規格に反映することが急務であり、国際安全規格を国内に普及することを通じて国内の機械安全を向上させる活動は重要になっている。既にほとんどの機械安全規格とJISの整合化が行われているが、最新版への対応の迅速化及び普及と理解の促進をいっそう進めたいと報告した。

 最後に、真白すぴか氏(東京エレクトロン)よりIEC60204-1(機械の電気装置の安全)の概要と、その整合規格であるJIS B 9960-1原案を基にした前版からの主な改正点を紹介した。今後の動きとしてIEC/MT60204-1が2016年版の追補作成と追補の適用範囲を決定するための活動を2018年夏ごろ開始予定だったが遅れていることも併せて紹介した。

 講演後の聴講者アンケートについては、貴重なご意見として今後の機械安全活動の参考とする。

 

講演会会場

議事次第

 

 

[講演概要]

1.主催者挨拶

[日本機械工業連合会 宮崎標準化推進部長]

 

2.ISO/TC199の動向 (PDFファイル 1,062KB)(禁無断転載)

・ISO/TC199部会とは

・ISO/TC199の組織

・ISO/TC199の担当範囲

・ISO/TC199最近の活動

・まとめと今後

(参考) ISOとJISの対応表

 

3.制御システムの安全関連部(ISO 13849-1) (PDFファイル 1.982KB)(禁無断転載)

・ISO 13849-1とは?

 -適用範囲

 -関連規格(引用規格)

・ISO 13849-1概要

-適用例

・改正履歴

・第4版改正動向

・第3版対応JIS改正動向

 

名古屋大学大学院
山田 陽滋氏

テュフラインランド
ジャパン㈱  杉田 吉広氏

 

4.IEC/TC44の最新動向(PDFファイル 270KB)(禁無断転載) 

・IEC/TC44の担当範囲

・IEC/TC44の組織

・IEC/TC44部会(国内)活動概要

・最近の安全技術の動向

・JIS制定・改正活動

(参考資料)IEC/TC44の規格とJIS

 

5.機械の電気装置の安全(JIS B 9960-1)改正のポイント(PDFファイル 1.056KB)(禁無断転載)

・JIS B 9960-1改正までの経緯

・JIS B 9960-1の位置づけ

・IEC60204-1:2016の概要とJIS B 9960-1の主な改正点

-電磁両立性(EMC)に対する要求事項

-装置の保護に対する要求事項

-保護ボンディングに対する要求事項

-制御回路及び制御機能に関する箇条

-オペレータインタフェース及び機械に取り付けた制御機器に関する記号等変更

-技術文書の要求事項

-TT接地系統から給電される機械の故障保護-短絡保護追加

-その他(JISに固有の変更点等)

・今後の動向

 

長岡技術科学大学
福田 隆文氏

東京エレクトロン㈱
真白 すぴか氏

 


 この事業は、競輪の補助を受けて実施したものです。