2024年 東原会長年頭所感

2024年01月12日 お知らせ 2024年 東原会長年頭所感

一般社団法人 日本機械工業連合会

  会 長  東 原 敏 昭  

 

 まず、「令和6年能登半島地震」が元日に発生したことで、当会の会員の中にも被害を受けた企業があることも聞いております。謹んでお見舞い申し上げます。震災の影響は現在も続いており、その被害状況はいまだ判明していない状況でございます。我々経済界としても、全力を尽くし復興に貢献したいと思います。年頭に当たり、平素より日本機械工業連合会にお寄せ頂いております皆様方の温かいご支援とご協力に対し、改めて深く御礼申し上げます。

 さて、社会経済情勢を見ると、COVID-19がひと段落し、経済活動も回復しつつありますが、ウクライナや中東の情勢等、不透明な要因も多くございます。また、製造業は保護主義の台頭、エネルギー価格の高騰、バリューチェーンの脆弱化等の多くの課題に直面しています。さらに、欧州におけるデジタルプロダクトパスポートや炭素国境調整措置(CBAM)導入といった環境関連規制の動きに対しても迅速に対応する必要があります。こうした中、日機連はデジタル・トランスフォーメーション(DX)やグリーン・トランスフォーメーション(GX)等の機械産業が直面する大きな課題を新たな成長の機会と捉え、ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI)ともども、会員の皆様と連携してまいりたいと存じます。

 次に日機連の活動についてご報告いたします。国内外の激しい変化に迅速に対応し、機械産業の課題解決と未来に貢献するためには日機連が果たすべき役割を明確にする必要があります。昨年は、統括審議委員会および4研究委員会と運営方針について議論を重ね、秋季総会にて4研究委員会の新しい運営体制が承認されました。今後、4委員会が密接な連携を図り、「政策当局(特に経済産業省)と機械産業との相互コミュニケーション」、「RRIとの更なる連携強化、協調領域拡大を目指した協力」、「研究・調査・発信機能」を重点とし、「海外情報入手・国際連携等」についても強化しつつ、機械産業の発展に、より貢献できるよう努めていく方針です。

 次にRRIへの活動支援についてご紹介いたします。RRIは、成長戦略の一環である政府の「ロボット新戦略」に基づいて2015年に発足してから8年が経過し、現在の会員数は418となりました。産業IoTの分野では、ドイツのIndustrie 4.0推進母体をはじめとする海外の関連団体とも密接な国際連携を進めております。特に最近では、Gaia-XやInternational Manufacturing-X Councilといった海外の動向を注視しつつ、我が国の産業がデータ連携の展開と制度化に適切に対応できるよう、情報発信のハブとして積極的な活動を行っております。今後、RRIとの連携を一層強化しながら協調領域の拡大を目指し、同時進行するDX、GXの課題に迅速に取り組んでいきたいと思います。

 次に税制改正についての取り組みをご紹介いたします。当会では、機械業界の要望内容の策定、およびその実現に向けた要望を中心に税制に関する活動を行っております。「令和6年度税制要望」については、新時代に向けた我が国経済の活性化、カーボンニュートラル実現等を目指し、「設備投資関連税制の拡充、改善」「経済のデジタル化に伴う新たな国際課税制度への対応」「グリーン・トランスフォーメーション、環境関連税制への対応」「研究開発税制の拡充等」の4点を重点項目として要望いたしました。また、製造業関連8団体連名にて、「グリーン・トランスフォーメーション促進による我が国企業の競争力強化に向けた令和6年度 税制改正共同要望」を策定し、要望項目の実現に向け、共同で陳情活動を展開いたしました。その結果、税制改正大綱に「戦略分野国内生産促進税制」と「イノベーションボックス税制」の創設が明記される等の成果を挙げることができました。前者は戦略的な重要物資を対象に生産量等に応じた減税を講じる税制、後者は特許権等の知的財産から生じる所得に対して優遇する税制で、それぞれ10年、7年の長い措置期間となっております。

 次に、日機連が経済産業省と共同で運営しているロボット大賞表彰事業についてですが、隔年で表彰を行っており、2024年度は第11回目の表彰式が予定されております。ロボット大賞は6大臣による優秀なロボットとシステムを表彰する制度として確立しておりますが、今回も多くの優れた案件の応募を期待しております。

 最後になりますが、当会は引き続き、産業界が協調領域と競争領域を定義し、協調できる分野においてデータ連携を通じて日本の産業競争力の強化に貢献することで更なる発展を実現できるよう誠心誠意努める所存ですので、今後とも関係各位の引き続きのご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。最後となりますが、皆様の一層のご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。