平成26年度の生産動向

-平成26年度-

(調査時点平成27年10月)


●一般機械

 一般機械の生産額は、前年度比(以下同様)3.1%増の13兆8332億円となった。

  機種別にみると以下のとおり。ボイラー・原動機のうち、内燃機関についてはガソリン機関の生産拠点の海外シフトが継続している一方、ディーゼル機関は堅調で内燃機関全体としては堅調に推移し、ボイラー・タービンについては前年度の反動減があり、ボイラー・原動機全体で2.3%減。土木建設機械は、国内で一部の機種に反動減があったものの、輸出は引き続き堅調に推移し、4.5%増。印刷・製本・紙工機械は、国内の先端設備の需要増、米国向けの回復、新興国向けの新規需要の増加により、4.5%増。油空圧機器は、油圧機器が中国向け輸出の減少の一方、国内では上期に復興需要や金属向けで好調、下期は土木建設機械向けが減少、空気圧機器は工作機械、半導体製造装置向け等が好調で、全体で5.7%増。ロボットは、輸出が中国向けの回復により伸び、国内は自動車向けが好調で、20.6%増。動力伝導装置は、スチールチェーンの輸出が好調、歯車は自動車、産業機械向け等が堅調だったものの、変速機が減少し、全体で3.0%減。農業用機械器具は、海外が北米向けで堅調だったものの、国内は消費税率引き上げによる前倒し需要の反動や米価下落による農家の投資意欲減退により、11.3%減。金属工作機械は、国内が企業収益の改善や政府支援策により回復、海外は北米が好調、欧州は緩やかな回復基調、アジアはEMS関連特需があり、34.3%増。第二次金属加工機械は、液圧プレスが増加したものの、機械プレス等が減少し、全体で8.3%減。鋳造装置は、ダイカストマシンの小型機が伸び、15.9%増。繊維機械は、編組機械が増加したものの、化学繊維機械、紡績機械、準備機械、織機が前年度の大幅増からの反動減により、全体で22.7%減。食料品加工機械は、食品業界で設備投資が見られたこともあり、1.2%増。包装機械・荷造機械は、国内が微減だったものの、海外はアジア、北米向けを中心とした輸出が堅調で、1.8%増。木材加工機械は、政府の支援策の効果があり29.9%増。事務用機械は、海外での現地生産が進み国内生産の減少傾向が続いたことから、12.8%減。ミシンは、工業用ミシン、家庭用ミシンともに輸出が堅調で、全体で17.9%増。冷凍機・同応用装置は、冷凍機、冷凍機応用製品等で前年度に引き続き高い水準を維持したものの、全体で1.1%減。軸受は、国内が一般機械、電気機械向け、海外は欧米、アジア向けで堅調だったことから、7.9%増。半導体製造装置及びFPD製造装置は、FPD製造装置が多機能携帯電話およびタブレット端末向けの中小型パネルの価格低下による需要減により生産も低調に推移したが、半導体製造装置はファウンドリやロジックメーカーが大型用で底堅い投資を続け、メモリーメーカーのDRAM微細化やNANDの高集積化投資も進み、全体で5.9%増加した。

(平成26年度)

 


●電気機械

  電気機械の生産額は、前年度比(以下同様)6.9%増の7兆3110億円となった。

  機種別にみると以下のとおり。回転電気機械・静止電気機械器具・開閉制御装置は、輸出が円安の効果により堅調に推移し、国内は更新需要を中心とした設備投資の増加を背景にサーボモータ、変圧器、パワーコンディショナー、低圧開閉器等が堅調で、7.2%増。民生用電気機械は、グローバル展開に伴う海外生産シフトが進み、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減や、夏の台風と天候不順もあり、5.6%減。電球は、生産拠点の海外シフト、電球形LEDランプの普及の影響を受け、一般照明用電球、電球形蛍光ランプが減少し、5.4%減。電気計測器は、工業用計測制御機器、放射線計測器が減少したものの、電気計器、電気測定器、環境計測器が増加し、全体では9.1%増加した。

(平成26年度)

 

●情報通信機械

  情報通信機械の生産額は、前年度比(以下同様)7.6%減の3兆3765億円となった。

 機種別にみると以下のとおり。民生用電子機器は、薄型テレビが需要は底打ちしたものの、すでに生産の海外移転が進んでおり、デジタルカメラはコンパクトタイプで多機能携帯電話の影響を受け減少、カーナビゲーションシステムは消費税増税後の反動減があり、全体では15.7%減。通信機器は、有線通信機器が前年までの通信トラフィック急増対応への需要が一巡したことや、端末機器の海外生産シフトが引き続き進んだことから大幅に減少し、無線通信機器は多機能携帯電話で携帯キャリアの調達方針の変更により海外企業製品への重点補助等の影響等もあり、通信機器全体では9.0%減。電子計算機及び関連装置は、パソコンが上期に旧OSサポート終了により法人向けを中心に買替えが進んだものの、下期には反動減があり、全体で0.1%減少した。

(平成26年度)

 

●電子部品・デバイス

  電子部品・デバイスの生産額は、前年度比(以下同様)7.6%増の7兆5000億円となった。

 電子部品は、受動部品のセラミックコンデンサが多機能携帯電話向けの輸出増、接続部品のスイッチやリレーも堅調で、4.4%増。電子デバイスは、半導体が半導体素子の発光ダイオードや太陽電池セルで増加、集積回路はフラッシュメモリが増加、液晶デバイスは、多機能携帯電話やタブレット型パソコン向け需要が高精細を中心に伸びたことに加え、薄型テレビ用の大型ディスプレイデバイスも需要が増加したことから、9.2%増加した。

(平成26年度)

●輸送機械

  輸送機械の生産額は、前年度比(以下同様)1.5%増の31兆4645億円となった。

  機種別にみると以下のとおり。自動車は、海外生産の増加による輸出台数の低下はあったものの、為替変動の影響等による輸出金額の増加があり、自動車全体で2.3%増。自動車部品は、自動車生産台数の減少が影響し、1.0%減。産業車両は、景気回復による設備投資の伸びと、排出ガス規制の猶予期間終了による駆け込みもあり、全体では3.4%増。鋼船は、世界的な船腹過剰により操業を落としたことで竣工量が少なく、船価の下落もあり、4.6%減。航空機は、装備品が減少したものの、機体、発動機、機体部品、発動機部品が増加し、全体で11.8%増加した。

(平成26年度)

 

●精密機械

  精密機械の生産額は、前年度比(以下同様)4.4%増の1兆3774億円となった。

  機種別にみると以下のとおり。計測機器は、計量機器の試験機が好調、分析機器は国内が横ばいの一方、海外は好調、光学測定機は国内の自動車、工作機械向けで好調、海外は欧州、東南アジア向けで伸び、測量機器は海外が欧州、アジア向けを中心に減少の一方、国内は復興需要や景気回復により堅調で、計測機器全体で6.2%増。光学機械は、写真機が5.2%増、望遠鏡・顕微鏡は輸出が堅調で4.9%増だったものの、カメラの交換レンズ・付属品が5.8%減となり、光学機械全体で1.6%減少した。 

(平成26年度)

 

●金属製品

  金属製品の生産額は、前年度比(以下同様)2.0%増の2兆7881億円となった。

 機種別にみると以下のとおり。鉄構物・架線金物は、0.9%減。ばねは、0.8%増。機械工具は、特殊鋼工具が輸出の伸びに支えられ8.6%増、超硬工具が国内は自動車、工作機械向けが堅調で、海外は北米が堅調、欧州は持ち直し、アジアは中国向けが堅調で12.7%増、ダイヤモンド工具は海外で自動車向けが好調で10.7%増、機械工具全体で11.6%増。バルブ・コック・鉄管継手は、国内は緩やかな増加、海外は為替の影響や米国向けが堅調で、3.1%増加した。

(平成26年度)

 

●鋳鍛造品

   鋳鍛造品の生産額は、前年度比(以下同様)2.2%増の2兆6060億円となった。

  機種別にみると以下のとおり。粉末冶金製品は、2.2%減。鍛工品は、産業機械、土木建設機械向けが減少したものの、自動車、輸送機械向けが増加し、8.5%増。銑鉄鋳物は、0.3%減。可鍛鋳鉄・精密鋳造品は、2.3%増。非鉄金属鋳物は、4.4%増。ダイカストは、0.1%増加した。

(平成26年度)