講演会「最近の機械安全国際規格の紹介」    ISO/TC199,IEC/TC44,ISO14121-1,2,IEC62061

講演会「最近の機械安全国際規格の紹介」    ISO/TC199,IEC/TC44,ISO14121-1,2,IEC62061

講演会

日機連講演会『最近の機械安全国際規格の紹介』を開催

 

日機連は、2月12日 (木)に女性と仕事の未来館ホール(港区芝)において「機械安全」に関する講演会『最近の機械安全国際規格の紹介』を、機械および電気機械の製造業を中心とする約260名の多数にのぼる参加を得て開催した。

 

本講演会は、日機連の機械安全推進特別委員会(委員長・栗原史郎一橋大学大学院教授)の下に標準化推進部が進める「機械安全」普及活動の一環として、「機械安全と企業価値に関する検討部会」(主査:㈱東京機械製作所取締役常務執行役員)及び「機械安全を設備安全に展開するための課題と方策に関する検討部会」(主査:栗原史郎一橋大学大学院教授)において企画・立案され、昨年度開催の講演会「企業の機械安全取り組み事例紹介」、「機械安全国際規格の動向と中国の基準認証制度の状況」に引き続き実施したものである。

 

冒頭に、主催者を代表して日機連標準化推進部長の川池襄より、以下のご挨拶を行った。

『昨今の状況は、安全・安心という枕詞はよく使用されるようになっているが、安全・安心には、「技術や事実に裏付けられた安全・安心」と「裏付けがない、危険を認識していない安全・安心」の二種類があります。「機械安全」の世界も同様で、過去に事故が無かったので安心していたが、事故が起きてから右往左往する「裏付けがない安全」。危険に対して認識している、認識した危険に対して対策をとっている。そのうえで、安全な行動につねに気を配っているという「裏付けられた安全」があります。ドイツには「信頼することは良いことだが、コントロールした方がベターだ。」という言い回しがあります。

危険を認識するのが、ISO14121のリスクアセスメントであり、危険に対して対策をとるためのガイドがIEC62061あるいはISO13849です。本日ご紹介する規格です。』

 

講演の講師とテーマは以下のとおり、

・長岡技術科学大学専門職大学院 教授 杉本旭氏(ISO/TC199国内委員会主査)
    「ISO/TC199の動向」(PDFファイル457KB)(禁無断転載)

・横浜国立大学 名誉教授 塚本修巳氏(IEC/TC44国内委員会主査)
    「IEC/TC44の動向」 (PDFファイル 603KB)(禁無断転載)

・ソニーファシリティマネジメント(株)セーフティエンジニアリングセンター 安全防災ソリューション部
        統括部長 内藤博光氏(ISO/TC199国内委員会委員)
    「ISO14121-1: 2007 機械類の安全性―リスクアセスメント―第1部:原則、ISO/TR14121-2: 2007 第2部:実践ガイド及び方法の例」 (PDFファイル2.2MB)(禁無断転載)

・S U N X(株)センサ事業部 センサ技術・開発部 セーフティグループ 長谷川佳宣氏(IEC/TC44国内委員会委員)
    「IEC62061:2005 機械類の安全性―安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全」(PDFファイル3.9MB)(禁無断転載)

 

  
日機連 川池標準化推進部長
長岡技術科学大学 杉本旭氏
   
横浜国立大学 塚本修巳氏
ソニーファシリティマネジメント(株) 内藤博光氏
   

S U N X(株) 長谷川佳宣氏 

メイン会場演台
   
メイン会場客席
特別会場

 

〔講演概要〕

「ISO14121-1: 2007 機械類の安全性―リスクアセスメント―第1部:原則、ISO/TR14121-2: 2007 第2部:実践ガイド及び方法の例」規格は、「機械類の安全性」分野のA,B,C階層構成の規格体系で「ISO12100-1,2:2003(JISB9700-1,2:2004) 設計のための基本概念」規格と合わせて最上位のタイプAの基本安全規格(すべての機械類で、共有の基本概念、設計原則を扱う規格)に類別されるものである。

新規格は、従来規格ISO14121:1999(JISB9702:2000)の改訂版として発行されたもので、内容及び定義面でISO12100-1,2:2003に合わせ、定義に関する規定が増えたことと、附属書A に危険源(「想定可能な結果を引き起こす」ものと「根源」に区別)、危険状態及び危険事象を例示した別表が入り、さらに典型的な危険源の例を図示することにより、実践的視点により無駄な冗長さが取り除かれ、危険源リストはスリム化され使いやすいものになっている。また、方法例に関するISO/TR14121-2 の詳細かつ広範な情報を提供する技術報告書を第2部として分割することにより、従来の附属書B「危険源の調査とリスク見積りの方法」は規格から削除されている。

講演では、講師の豊富な実践経験から事例を交えながら詳細を解説した。

「IEC62061:2005 機械類の安全性―安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全」規格は、JISB9961:2008としてJIS規格として既に発行されており、機械類の安全に関する電気制御系の安全レベルを定量的に規定する規格である。

近年、制御の安全性を定量的に扱う国際規格IEC61508(JISC0508)が注目されており、各産業分野でIEC61508を基礎にした安全規格が作成されつつあるが、IEC62061は、IEC61508の技法を機械の安全性に適用するために作成されたものである。IEC61508規格群は、原子力プラント、化学プラントのような、極めて高い安全性を必要とする施設の安全制御までカバーしている。機械部門の安全性要求は、プラントなどの場合と異なるので、機械の安全制御システムには、IEC61508規格群の規定の全てが必要というわけではない。機能安全は安全制御機能が正しく作動することによって達成されるので、安全制御機能が正しく作動する確からしさを両規格とも安全インテグリティレベルSILと定義している。IEC61508はSIL1~SIL4と4等級分類するのに対し、IEC62061の方は、最も高い安全レベルのSIL4の安全性は要求されない、安全機能の作動要求モードとして低頻度差動要求モードが不要で高頻度差動要求モード及び連続モードだけを規定するとしている等である。

一方、制御システム安全関連部のアーキテクチャを定義する際に、確定論的な定義に基づくカテゴリに加えて、IEC62061と同様に信頼性の概念を導入して確率論的な要素を取り入れたパーフォーマンスレベルPLを定義するやり方に変更となった「ISO13849-1:2006制御システム安全関連部(一般原則)」という規格がある。(注: EU圏にて新機械指令の発効と合わせて2009年末にENISO13849-1がEffectiveになる。)

IEC62061は、電気、電子制御系及びプログラマル電子制御系だけに適用できるものであり、ISO13849-1の方は、これ以外の例えば油圧、空圧等の非電気的系にも適用できるとしている。

講演では、IEC62061規格の内容を、主としてこのISO13849-1と対比しつつ、難解な数式を省いて理解して頂けるよう解説した。

今回も、ご案内をお出しした早々に定員を上回るご申し込みを頂き、多くの方にお断りのご連絡を差し上げざるを得ない状況となった。皆様のご関心の高さを、改めて認識した次第である。そこで、急遽、会場に入れない方のために講演内容を同時放映する隣接のセミナー室を確保し特別会場とした。両会場とも盛況であり、特に条件の悪いセミナー室で熱心に聴講頂いた方に改めて感謝申し上げます。

 

KEIRIN
この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。
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