講演会日機連講演会 「機械安全関連の動向 ―人間共存型ロボット、労働安全衛生マネジメントシステム-」を開催
日本機械工業連合会は、国内産業への機械安全普及活動の一環として、主要な国際規格を紹介する講演会と共に、機械安全に関係する幅広い情報を発信する講演会も毎年度開催している。 今年度は「機械安全関連の動向」と題して、平成27年2月25日(水)に星陵会館ホール(千代田区永田町)において257名の参加者を得て開催した。
本講演会では、初めに弊会・標準化推進部長より「講演会の内容について」紹介し、さらに昨年12月に開催した講演会から当日までに動きのあったISO/TC199及びIEC/TC44関連の国際規格について紹介した。 先ず、基調講演として「機械安全を取り巻く国内外の動向」について、主に規格と人材育成の視点から紹介した。昨年4月に厚生労働省から機械安全の教育に関する通達がだされた経緯もあり、主に設計技術担当者及び生産技術管理者において、安全教育への関心が高まることが期待される。 続いて、近年、幅広い分野においてロボットが利用され、今後益々用途が増えることが見込まれることを踏まえ、人間共存型ロボットの安全と傷害・痛覚耐性値等について紹介した。実際の計測データを規格の視点で勘案し、実用につながる技術の考察が、将来において機械工業界だけでなく医療・福祉の分野等で活用されることが期待される。 最後に、ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)について紹介した。国際規格化の経緯、背景とISO発行の手順について、ISO/PC283を例に解説した。主に製造業において、規格を作成しリスクアセスメントを実施して危険源を削減することにより、産業事故の減少に大きく貢献することが期待される。
講演後の聴講者アンケートについては、貴重な意見として今後の機械安全の活動の参考とする。
[講演概要]
1.主催者挨拶 [日本機械工業連合会 宮崎標準化推進部長]
2.基調講演「機械安全を取り巻く国内外の動向」(PDFファイル1,100KB)(禁無断転載) [向殿 政男氏 明治大学 名誉教授] ・ISO/IECガイド51の改正 ・ガイド51のJIS化 ・労働安全衛生マネジメントシステムの動き ・機械安全教育の動向 (厚生労働省からの機械安全の教育に関する通達) ・安全設計における歴史的な流れ ・安全の今後の方向
3.「人間共存型ロボットの安全と傷害・痛覚耐性値等について」(PDFファイル1,831KB)(禁無断転載) [山田 陽滋氏 名古屋大学 教授] ・人間共存型ロボットの安全に関する国際規格 (ISO 10218-1) (ISO 13482) ・障害・痛覚耐性 (耐性値とは+機械安全における耐性値の特徴) (ロボット安全における耐性値の有用性) ・まとめと今後
4.「ISO 45001(労働安全衛生マネジメントシステム)について」(PDFファイル734KB)(禁無断転載) [斉藤 信吾氏 中央労働災害防止協会 教育推進部] ・ISO45001(OHSMS) ・ISO化について ・プロジェクト委員会と国内御審議委員会 ・共通テキストと各MS規格 ・日本が参加したTGの検討箇所 ・ハザードの特定 ・OHSリスクアセスメント ・OHS機会 ・現在の段階
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