審査を振り返って

審査員からのReal Message

厳しい環境に臆することなく、積極果敢に新たな課題に挑戦する。その志と意気込みこそが財産

 「ものづくり日本大賞」は、我が国の産業・文化を支えている「ものづくり」に直接携わり、優れた技術やアイデアを生かして卓越した成果を挙げられた方々を発掘し、世界に紹介するため、平成17年に創設しました。昨年7月には、「第3回ものづくり日本大賞」の表彰を行い、109件590名を表彰いたしました。

 第3回は、世界同時不況の真っただ中にもかかわらず、679件と多くの応募をいただきました。厳しい環境に臆することなく積極果敢に新たな課題に挑戦し、ものづくりの一層の高度化に取り組まれている皆さまの志と意気込みに、改めて深い感銘を受けた次第です。また、審査に当たられた選考有識者の皆さまからも、「いずれも甲乙付けがたい力作ぞろい」との賞賛の声が多く、我が国のものづくり力の素晴らしさを再認識いたしました。

 ものづくり名人の方々によって生み出された "モノ" には、苦労や挫折など様々なエピソードが隠れています。その苦労もまさに十人十色で、たゆまない努力や試行錯誤の末に、数多くの素晴らしい製品や技術が生み出されているのです。

 第3回の受賞者の中にも、廃業寸前だった企業が発想の転換により独創的な製品をつくり出したことで、今や世界的メーカーから受注を受けるようになった例があります。また、日本古来の伝統建築技術に着想を得て、最先端の発明を実現した例もあります。

 現在、日本は少子高齢化により国内市場の成熟化を迎え、世界的にも資源・環境制約の一層の高まりや国際競争の激化が予想されるなど、厳しい課題に直面しております。しかし、こうした変化をチャンスととらえ、我が国の高度なものづくり力、問題解決力をてこに次代産業を創出し、あるいは新たな市場を開拓し、さらなる発展を目指すことが重要です。

 政府としても、ものづくりに携わっている皆さまの真摯な努力を支援すべく、技術開発、人材育成、普及支援、その他各般の施策を強化しなければなりません。そして「ものづくり日本大賞」を通じて、我が国企業の優れた技術力や創造力を広く世界に伝え、付加価値創造の礎である「ものづくり」の重要性を改めて訴えていきたいと考えております。

 今後とも、国民が「ものづくり」の大切さを再認識し、「ものづくり」に関心を持てるような社会の実現を目指して、経済産業省としても努力してまいります。