200年の歴史を持つ播州織物。西脇市周辺は、現在でも国産シャツ地の9割を生産する織物の一大産地だ。とはいえ、安価な中国製品などに市場を奪われ、生産量自体は最盛期の3分の1に減っている。
「小さな頃から機織りの音を聞いて育った」片山さんが、そんな苦境を打開しようと立ち上がったのは00年のこと。
「マーケットでは個性的な商品が求められているのに、生産現場は相変わらず大量生産に適した構造。少量多品種型に転換しなければ明日はないと、感じていました」
まず目を付けたのが、織物から大量に発生するロス(残糸)。そのままでは産業廃棄物にしかならない半端な糸をつないで、カラフルな織物をつくる技 |
術を、兵庫県立工業技術センターと共同開発。見事、コンテストで賞も取った。ところが、地元も買い手のアパレルメーカーも、反応は冷ややか。
「確かに、今までになかった織物はできたのですが、ロスになった糸が原料ですから、二度と同じものがつくれない。『それじゃあ売り物にはならない』と」
しかし、あきらめなかった。あれこれと思案するうち、「色柄を決める縦糸を自在に結ぶ」という発想にたどり着く。従来、織物は色柄が変わるたびに織機を止め、新たに5000〜1万本の縦糸を準備し直す必要があった。だが、任意の長さで異なる色が一本につながった縦糸ができれば、一度の準備で複数の色柄を織り上げることができると考えたのだ。片山さんの呼びかけで、産学官共同のプロジェクトが始動した。 |