monodzukuri 第1回「ものづくり日本大賞」 HOMEEnglish
受賞者たちの熱きドキュメント
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世界の先端をつくるプロフェッショナルたち伝統を受け継ぎ進化するプロフェッショナルたち
福井県 電子部品 ナノテクノロジー メッキ
福井県福井市
清川メッキ工業(株)
古市真隆(47歳)
技術部部長 福井県福井市
清川メッキ工業(株)
古市真隆(47歳)
技術部部長
小型・軽量・消費電力削減に貢献する
「ナノめっき」接合技術
電子機器の内部では、プリント基板(配線板)の上に半導体や様々な電子部品(チップ)が装着されている。メッキの大事な役割は、これらのパーツをつなぎ合わせること。チップの面積は、製品の小型化に伴い、過去10年間でおよそ7分の1にまで縮小している。同社はこうした流れを先取りし、携帯電話などに実装されている「0603」(0.6mm×0.3mm)サイズの次世代、「0402」(0.4mm×0.2mm)サイズにまで対応、しかも多品種大量生産が可能な、オンリーワン技術を開発した。現在の技術は、粒径0.6μmという銅の粒に均一なメッキを行うところまで進んでおり、今後、医療、バイオ、環境などの分野への応用にも期待が集まっている。
“スーパーサンプル”なら他社でもできる。
均質な製品を量産して初めて、
「開発」と呼べるのである
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Company Profile
清川メッキ工業(株)
http://www.kiyokawa.jp/index.asp
1963年創業。71年、金属表面処理技術を応用してオートバイ用のアルミ合金リムを開発、その名を全国で知られるように。75年に電子部品関連分野に進出し、現在、この分野が事業の柱となっている。“地方企業”であることにこだわり、約150名の社員のほとんどは地元・福井県出身。
「設計」「製造」「品質管理」その連携があったからこそできた
「金属などの表面に、薄い膜をつくること」。メッキがそういう技術であることは、誰もが知っている。しかし、目の前に置かれたビンを前に、「これにはすべて、メッキが施されているんですよ」と言われても、にわかには信じがたい。ビンに「堆積」した物質。それはどう目を凝らしても、“粉”にしか見えない。いったい、これにどうやってメッキを?
「手品と同じで、種明かしをするわけにはいかないんですよ」と、古市さんはにこやかに語る。同社の主力分野は、チップ、半導体ウエハーといった電子部品関連。ユーザーである部品メーカーのニーズに応じて、これらに様々なメッキ処理を行っている。だから、基本的に、同社には最終製品がない。メッキという加工技術そのものが「商品」なのだ。そして、同社を他と区別し特徴づける商品、その最たるものが今回の受賞案件、「ナノめっき」接合技術である。
 携帯電話を始めとする電子機器の小型化には、目を見張るものがある。こうした小型・軽量化の実現は、内部で働く電子部品の小型化があってこそ成しえたもの。だがそれは、電子部品に耐食性や抵抗性といった機能を付与したり、部品を接合したりするのに不可欠なメッキにも、幾多の難問を投げかけた。
「“ナノ”の世界になってくると、これまでの技術を重ね合わせても、とても無理。製品があまりに軽すぎて、メッキ中に浮いてしまったり、電気的通電がうまく取れなかったり。そこで10名の開発チームを組んで、技術革新に取り組んだのです」
 チームには、メッキの開発を行う「設計」、生産に携わる「製造」、そして「品質管理」の各部門からメンバーが選ばれた。
「この三位一体で、初めてちゃんとした製品ができる。技術開発というと、メッキそのものだけに目が行きがちなのですが、スーパーサンプルだったら他社や、もしかしたら中国企業にもできるかもしれない。均質の製品を量産できてこそ、初めて『開発に成功した』と言えるのです」
「0402」(0・4o×0・2o)サイズという極小チップにも対応可能な技術を開発するまでに、5年の歳月を有した。
「ただメッキされていればいい、じゃダメ。お客さまが欲しいのは、バラつきのない均一なメッキなのです。このサイズで、どのようにそれを実現するかが、最大の問題でした。少し進むと壁にぶち当たり、乗り越えて前進すると、また別のハードルが見えてくる。その繰り返しでしたよ」
微細化の進行によってメッキ技術に再び光が
 同社が電子部品関連のメッキに参入したのは、30年ほど前。清川忠社長が、「どこに頼んでも、無理だと断られた」ある部品メーカーの依頼を引き受けたのがきっかけだ。以来、外に対してはもちろん、社内でも“「できない」とは言わない”社風が確立された。
「今回の案件も、内心、かなりハードルが高いなと感じたのですが、この会社では、それを口にしても無駄なので(笑)。とにかくやるしかなかった」
 日本のメッキ業界全体に目をやれば、従来型の加工は中国などに奪われ、さらには後継者難もあって、業者は減少の一途。しかし、メッキ自体は見直されつつある。
「電子部品などの微細化が進めば進むほど、メッキ以外の方法で接合するのは難しくなるのですよ。メッキは“液”。だから、どんな細かな隙間にも浸透していけるという、他のものに替えられないメリットがある。当社のような開発型の企業にとっては、まさにチャンス到来です」
 だからこそ、チャンスを逃さないための情報収集が大事なのだと強調する。実は同社、これまでにも03年に「福井県科学技術大賞」最優秀賞、翌年には「グリーン購入大賞」中小事業所部門賞といった、数々の賞を受けている。こうした挑戦も情報収集の一環だ。
「自ら賞に応募して頑張る過程で、時代が求めているものが何なのか、実感としてわかってくるのです。審査ポイントを見れば、自分たちの強み・弱点も、客観的に明らかになるんですよ」
 さらなる微細な世界へ。チャレンジがとどまることはない。
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その他の受賞メンバー(五十音順)
片山正人、清川卓二、清川忠幸、清川敏男、清川肇、清水継雄、松平智次、村尾武志、山崎浩一
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