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優秀省エネルギー機器表彰制度

平成25年(第34回)受賞機器の内容と選定理由


 


【経済産業大臣賞】

 蒸気凝縮式真空脱脂洗浄機(エヴァクライオIWV-34C)

 

金属加工部品の機械組立には潤滑油や焼入油などを落とす脱脂洗浄が必要である。オゾン層破壊のため使用禁止となっているフロンやトリエタンに代わり、石油系溶剤を使った減圧蒸気凝縮による真空脱脂洗浄機が普及したが、同等の洗浄性能を得るためには大量の溶剤(2500ℓ以上)や大電力が必要という課題があった。

これらの課題を解決するため、本真空脱脂洗浄機では代替フロン系冷媒を用いたヒートポンプ式熱回収システムを用いて100%熱回収して溶剤の蒸留再生を行い、従来必要であった工場循環冷却水を不要とした。その結果、従来機に比べてシャワー液(溶剤)再生量を増加したにもかかわらず総電力消費量を52%低減した。

蒸気凝縮式真空脱脂洗浄機(エヴァクライオ)
加えて、洗浄室と洗浄品を石油系溶剤の飽和蒸気で十分加熱した後にチラー冷却した低温凝縮器を開放しヒートパイプ効果によって乾燥を行うクライオ乾燥システムにより高速乾燥を実現した。クライオ乾燥システムにより乾燥時間を従来機の1/10に短縮するとともに、洗浄力の向上に効果的なシャワー洗浄と乾燥を繰り返すことが可能になり、溶剤保有量が消防法指定容量1/5以下の少量380ℓにもかかわらず従来機以上の洗浄性能を実現した。さらに密閉式ヒートパイプ乾燥は真空ポンプで溶剤を屋外排出することが無いので溶剤消費量を55%低減できる。これらの新技術の導入によりランニングコストを53%低減した。また装置のコストダウンによりイニシャルコストも15%低減している。
 

【資源エネルギー庁長官賞】

 機械制御式船舶用ディーゼル主機関(6CXB-GT)
 

従来の漁船用船舶主機関開発では、漁場への往復時間を短縮するために船速アップが重視され、そのためのエンジン軽量化と高出力化が図られてきた。しかしながら、近年の原油高と環境規制により、低燃費および低NOx化についても求められてきている。

6CXB-GT形外観 他方、海上でのエンジン故障時等における安全性・信頼性確保のためには、船舶主機関としての実績が低い電子制御式の採用は困難であり、修理が容易で信頼性の高い機械式が必須となっている。


 本機器は、本来トレードオフの関係にある高出力化と低燃費・低NOx化を両立し、全機械式を採用による高信頼性も確保した船舶用ディーゼル主機関である。燃料噴射時期の最適化、燃焼室の改善や吸排気バルブ開閉時期調整による低空燃比燃焼等、船舶用ディーゼル主機関の開発においてこれまで蓄積してきたノウハウを多変量解析という形で燃費改善やNOx低減のために最大限活用し、あらゆる回転数領域において燃料消費率を従来機より低減し、8〜10%の燃費低減を実現するとともに、欧州ライン川規制等にも適合しつつクラス最高の高馬力化も達成した。

 

【日本機械工業連合会会長賞】

 ヒートポンプ式食品乾燥機(ドライマン)
 

近年、国は農林漁業者による加工・販売への進出(6次産業化)を推進しており、乾燥野菜や乾燥果実を個人農家等の小規模事業者、あるいは初心者でも容易に加工可能な装置の需要が増えている。

 本装置は、半導体製造分野で使用されている独自のヒートポンプバランス制御空調技術を応用し、電気ヒータを使用しない食品乾燥を行うものである。電気ヒータ使用の従来機に比べ電力使用量は最大70%削減の省エネ化を実現し、消費電力が抑えられて100Vの家庭用電源でも運転が可能である。小規模事業者でも追加の電気工事無しで導入できると共に、高温部が無い安全な装置となっている。

 さらに、ヒートポンプサイクルによる冷却除湿が可能なため、発生した熱を空気と共に外部に排出する必要が無い。また、発生した熱は装置の内部に蓄熱する構成(特許)にしているので。寒冷地等周囲温度が低い場合にあっても、蓄熱により速やかに乾燥作業を開始できると共に、周囲温度や湿度に影響されない安定した連続運転が可能である。

ヒートポンプ式食品乾燥機(ドライマン)
 
 

 プレートノズル式直管ラジアントチューブバーナ(SRTNシリーズ)
 

産業用途で使用されている工業炉の中で、自動車部品をはじめ金属部品の硬度強化に用いられる熱処理炉において多量のエネルギーが消費されており、省エネルギーの観点からその熱源の高効率化は重要な課題となっている。

 熱処理炉の熱源として用いられている本シングルエンドラジアントチューブバーナ (SRTNシリーズ)は、バーナボディ内の排熱回収構造を見直し、業界最高クラスとなる排損ベースの熱効率75%(従来比5%の効率向上)を達成した。さらにバーナノズル構造の工夫による保炎性能の向上により、ターンダウン比(定格燃焼量と最小燃焼量の比)3:1を実現した。これにより低負荷時の発停を抑制し、製造現場での原単位を向上させることができる。

   本バーナラインナップのうち、外管口径4インチタイプ (型式:SRTN-100)はH24年7月より販売を開始し、平成25年11月現在で30台の導入実績がある。導入先の操業状況では、従来バーナと比較して約7%の省エネ性を確認している。
SRTNシリーズの外観図
 

 低温用集中コントローラ(MELTOUCH)
 

近年、食品に対する鮮度維持、安全性の要求が高まり、ISOやHACCPの管理手法を用いてその要求を実現させる取り組みが加速している。また改正省エネ法が施行され対象となる単位がより小規模設備まで広げられたことから、省エネルギー対策への関心が非常に高まっている。今回このような市場環境の変化の中、小・中規模冷蔵設備向けにおいても省エネルギーと温度トレサビリティを同時に実現する汎用的で廉価版の低温用集中管理システムを開発した。

 新たに開発した最大電力抑制制御では、収納物の温度上昇を抑制するように、あらかじめ設定した冷蔵機器の庫内温度と設定温度を見ながら、よく冷えた機器から抑制をかけ、インバータコンデンシングユニットと連携した周波数制御や、セットバック(冷却優先度により庫内温度設定を高めにセット)運転を実施している。さらに、コンデンシングユニットと連携した目標蒸発温度シフトによる省エネルギー制御などにより、従来の庫内温度制御のみの冷蔵設備に比べ約20〜25%の省エネルギーを実現した。

システム構成図

 
 

 斜流型ジェットポンプ式揚砂機(スミジェッターU型)
 

下水処理場やポンプ場の沈砂池設備で使用される揚砂機は、臭気漏れ等による劣悪な作業環境を改善する目的等のため、コンベア等の機械式から加圧水を利用したジェットポンプ式に移行しつつある。しかしながら、ジェットポンプ式揚砂機は加圧水ポンプに大きな動力を必要とするから、省エネ対策としての動力低減が求められている。

本機器は、従来型ジェットポンプ式揚砂機(スミジェッターT型)の加圧水噴射ノズルの改良型である。数値流体シミュレーション等を活用し、噴射ノズルの形状、ノズル取り付け角度、エジェクタ部内径等をパラメータとして吸い込み管の圧力損失が最も低減されるように最適化を行った。その結果、必要な吸い込み流量を得るための加圧水ポンプの最大圧力を平均で3気圧程度低下させることに成功し、ポンプ消費電力を40%程度低減するとともに、加圧水ポンプの低容量化による初期投資の削減も可能とした。

 
スミジェッター外観図

 

 

 比例制御ガスバーナ搭載真空式温水機(GTL/GTLHシリーズ)
 

業務用の温水機には優れた省エネ性、環境性能が求められている。株式会社日本サーモエナーが1974年から発売している真空式温水機(バコティンヒーター®)は、高効率で耐久性に優れ取扱に免許や資格を必要としないことから、ホテル、温浴施設や温水プール等に幅広く使用されている。

GTLHシリーズ

従来の業務用の温水機は油焚きが前提の設計であり、ボイラ効率は90%程度(低位発熱量基準)であった。また、温水機の実用運転負荷率は20〜30%といわれON-OFF制御の従来の温水機では実効的なボイラ効率が著しく低下していた。GTL/GTLHシリーズではガス焚き専用に設計を見直し、ボイラ効率を95%まで高めるとともに、20〜100%の負荷域で最適な燃焼位置を確保できるターンダウン比の広い比例制御方式のバーナを搭載することで実用運転負荷でも高いボイラ効率を達成している。

さらに、潜熱回収器(エコノマイザ)を追加すると、ボイラ効率が105%を超える温水システムを実現できる。

 
 

 業務用ヒートポンプ式衣類洗濯乾燥機 (SFS-322HP)
 

病院や老人福祉施設などで使用されている業務用衣類洗濯乾燥機の乾燥熱源には主にガスまたは蒸気が使用されており、熱源が現状のままでは大幅な省エネ化は難しい。

そこで本機では115℃の乾燥風を生成可能なヒートポンプを搭載することでガスまたは蒸気を使った従来機と同等の乾燥性能を、電力による少ないエネルギー使用量で実現した。また、冷媒には不燃性で地球温暖化係数が1の自然冷媒(CO2)を採用しており、安全性と環境性にも優れている。

さらに、水フィルター一体型熱交換器を新たに開発することで、乾燥に伴い発生する糸くず除去性能を向上し、乾燥空気の室内放出または完全循環を可能とするとともに、メンテナンス頻度を1回/日から1回/6ヶ月に削減し、大幅な省力化を実現した。

本機1台で40床程度の施設で発生する洗濯物を処理することができる。

ヒートポンプ式衣類洗濯乾燥機 SFS-322HP
40床程度の老人福祉施設に1台導入した場合を想定すると従来機(LPガス式)と比較して年間360千円のランニングコスト削減が見込まれ、本機導入の増分費用は約4.6年で回収できる。
 
 

 3レベル直列多重融合型高圧インバータ(FSDrive-MV1000)
 

既設モータをフィルタレスで可変速駆動し,かつ電源高調波を極めて小さくできる直列多重方式の高圧インバータを製品化した。これにより,従来高圧モータで一定速駆動していたポンプ・ブロワ等の風水力機械の分野においてインバータ化による省エネが加速している。

本製品では、低圧インバータ技術である3レベルセルと、本製品の独自技術であるスマートハーモニクス技術を、直列多重方式高圧インバータに組み合わせる事で、フィルタ等での電力損失の節減が可能になり、業界最高水準の省エネ性能(効率:約97% 力率:約95%)を保持したまま、出力サージ電圧や入力高調波を抑制した省エネ効果の高いシステムを構築することが可能になった。更に薄型3レベルセルを採用することで、同容量におけるインバータ設置面積の世界最小寸法、メンテナンス時間大幅短縮(従来品比50%削減)を達成した。

3レベル直列多重融合型高圧インバータ(FSDrive-MV1000)

幅広い電源範囲と国際規格対応により、日本のみでなく世界各国で販売シェアを広げており、今後更に省エネルギー効果は期待できる。

 
 
 作業モード判別型油圧ショベル(SH200-6)
 
 2011年より強化された特定特殊自動車排出ガス規制により8%のNOx低減が義務付けられて以降、エンジン効率が低下する一方、近年の原油価格高騰によって油圧ショベル全体の燃費性能改善に対する要望が高まっている。

新型油圧ショベル(SH200-6)

本機器は、「スプール・ストローク・コントロール(SSC)」を組み込んだ新油圧システム「SIH:S+」を新たに搭載した。これまですべての作業において開度一定かつ絞り気味に設定されていたバルブを、油圧回路の圧力センシングをすることで作業内容を判断し、掘削や整地等の作業内容に応じてバルブ開度を最適に制御することで無駄な圧力仕事を排除し、油圧ポンプの省エネルギーを実現した。その結果、従来機よりも作業効率を約3%改善しつつ、燃費を最大10%向上させることが可能となり、同じ作業内容で比較すると約15%の燃費節減となった。他方で、方位角270°の視界をモニターで容易に確認できるシステム「FVM(フィールドビューモニター)」を新たに搭載し、安全性にも配慮した機器となっている。

 
 

平成25年度(第34回)優秀省エネルギー機器表彰一覧