「成長戦略の強化に向けた平成29年度税制改正共同要望」

「成長戦略の強化に向けた平成29年度税制改正共同要望」

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成長戦略の強化に向けた平成29年度税制改正共同要望を提出

日機連では、研究開発への取組みを含めて戦略的投資への資金の円滑な流れの確保が不可欠であり、早期のグローバル競争下の環境整備を求め、製造業9団体の連名にて「成長戦略の強化に向けた平成29年度税制改正共同要望」を取り纏め、岡村会長(㈱東芝名誉顧問)の承認を得て、11月14日、自由民主党に提出、善処方を要請した。


成長戦略の強化に向けた平成29年度税制改正共同要望

わが国経済はアベノミクス効果のもとで好転が図られてきたものの、一昨年の消費税率引上げ後はその反動による耐久消費財の不振など個人消費に力強さが欠ける状況が続いており、加えて、年初来の円高進行、新興国経済の減速、英国のEU離脱問題等もあり、先行きの不透明感が強まっている。

こうしたなか、わが国にあっては、政府が掲げる名目GDP600兆円目標の実現のためにも、今こそ官民連携した成長戦略の強化が強く求められている。第四次産業革命に象徴される世界的な産業のパラダイムシフトの動きのなかで、研究開発への取組みを含めて戦略的投資への資金の円滑な流れの確保が不可欠であり、グローバル競争下の環境整備に向けて、平成29年度税制改正においては、特に以下の重点項目について、その実現方を要望する。

 なお、法人実効税率については、平成28年度税制改正によって30%を切る水準への引下げが実現したが、課税ベースの拡大等による税制中立での税率引下げに留まっており、引続き国際的なイコールフッティングの確保の観点から企業の税負担の実質軽減を図る方向で、将来的にはOECD諸国平均の25%程度の水準への着実な引下げを要望する。

 

   
1. 研究開発促進税制の堅持・拡充
 

いわゆる人口ボーナスが期待できないわが国にあっては、雇用制度の改革によって労働生産性の向上に努める一方で、技術革新を通じた全要素生産性の向上を図ることが成長戦略の基礎として必要不可欠となっている。

また、IoTの進歩により「製品とサービス」が一体となったユーザーオリエンテッドなビジネスモデルがグローバル規模で確立しつつあるなか、海外企業は潤沢なキャッシュや資本を基に大規模な研究開発投資等に取組んでいる。

このIoT、ビッグデータ、AI、ロボット等の技術やそれを活用したサービス開発の世界的競争にわが国企業が適確に伍していく上で研究開発税制の役割はこれまで以上に高まっており、また、ものづくりに係る開発とサービス提供に係る開発を「車の両輪」として強力に推し進めることが不可欠であることから、以下の事項について要望する。

(1)米、英、仏、韓、中等においては、総じてわが国より高い税額控除割合を設けると同時に法人税額に対する控除上限を青天井としている一方、わが国においては総額型及びオープンイノベーション型を併せて30%(総額型25%、オープンイノベーション型5%)の控除上限を課しており、制度的イコールフッティングの視点からはむしろ拡充が望まれるところであり、総額型をはじめとして少なくともこれ以上の縮減を行うことは絶対に避けていただきたい。

(2)サービス開発を試験研究の定義に加えるなど、IoT時代の研究開発活動の潮流を踏まえた制度改正を図っていただきたい。

(3)オープンイノベーションの促進を図るべく、オープンイノベーション型の運用の改善を実現していただきたい。

 
2. 設備投資における内外のイコールフッティングの確保
 

わが国企業の事業投資は、グローバル化、投資のソフト化等の潮流の中で、多様化してきているが、それでも国内設備投資(法人企業統計による)は、製造業において2012年のマイナス2.2%から2013年にはプラスに転じ、2014年6.8%増、2015年10.9%増と活発化してきている。今後はこうした製造業の国内投資の定着を期するとともに、サービス業(2015年マイナス10.6%)の設備投資の促進を通じた生産性の向上を図るべく、以下の税制上の対応を要望する。

(1)機械類等の償却資産への固定資産税の課税は、国際的に極めて例外的であり、わが国製造業の国際的なコスト競争力を損なっており、廃止すべきである。また、成長戦略における設備投資促進の施策にそぐわず、企業の国内への投資意欲を削ぐことに繋がるため、少なくとも新規取得した償却資産に係る固定資産税は廃止すべきである。

(2)設備投資促進のため平成28年度税制改正において、中小企業者の取得する一部の機械装置については固定資産税の軽減措置が期限付きで導入されたが、本措置については平成29年度においては中小サービス業の生産性向上を強力に支援すべく、対象設備の拡充をはかるとともに、これと平行して中小企業投資促進税制の延長及び経営強化法との連携を図っていただきたい。

   
3. グローバル化への税制対応
   (1)外国子会社合算税制

わが国の同税制は、現状において基本的にBEPS行動計画の考え方と整合していると評価されているものであり、租税回避防止の観点からの制度の更なる合理化は望まれるものの、目的を超えた課税の強化や制度全体の複雑化によるコンプライアンスコストの増加や税務の現場での混乱を招くような対応には反対である。

(2)移転価格税制等

わが国企業の国際競争力が阻害されることがないよう、移転価格税制についても、企業と税務当局の見解の相違による混乱の回避や、国際的二重課税リスクの軽減等を図るべく、事前確認制度の迅速化、無形資産取引の定義の明確化、海外関連事業者の定義の50%超への変更等に取り組んでいただきたい。また、外国税額控除制度の改善、二国間租税条約の締結促進等を要請する。

   
  [連名団体]

(一社)電子情報技術産業協会、(一社)日本化学工業協会、(一社)日本機械工業連合会
(一社)日本自動車工業会、(一社)日本造船工業会、(一社)日本鉄鋼連盟、
(一社)日本電機工業会、石油化学工業協会、日本製紙連合会


 

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