平成18年度 税制改正要望

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平成18年度税制改正に対する機械業界の要望

日機連では、税制金融政策特別委員会(委員長・佐藤禔員川崎重工業㈱顧問)を中心に来年度税制改正について要望を検討していたが、9月27日(火)、政府、自由民主党、経済産業省、財務省、総務省および環境省等関係方面に提出し、善処方を要請した。
  要望書は、研究開発促進税制の税額控除率上乗せ措置等の適用期限の延長、IT投資促進税制の適用期限の延長、連結納税制度の改善、減価償却制度の改善、国際関連税制の拡充・改善、環境税の導入反対、会社法制定に対応した税法上の扱いの見直し、組織再編税制の整備、地方法人課税全体の抜本的見直し、法人税等実効税率の引き下げ、欠損金の繰戻し還付の復活及び還付期間の延長、企業年金積立金に対する特別法人税の廃止、租税特別措置の適用期限の延長等、受取配当金の益金不算入制度の改善、企業会計制度改革(不良債権・不良資産等の処理促進)に対応した税制措置の整備の15重点項目の他、国税関係3分野25項目、地方税関係13項目等機械業界の共通項目をとりまとめたものである。

 

平成18年度税制改正に対する機械業界の要望

我が国経済は、緩やかながら景気回復の軌道にある。個人消費と設備投資が堅調に推移し、今年4-6月期の実質国内総生産(GDP)は3四半期連続のプラス成長となり、当会で毎年取り纏めている機械工業生産額見通し調査結果でも、平成17年度は3年連続の増加を見込んでいる。収益の好転などにより、企業は生産活動や設備投資を拡大させており、それが雇用・賃金環境を改善させ、個人消費の下支えになるなど、民需主導の回復が始まりつつある。しかし、最高値圏で推移する原油価格、依然景気が過熱気味の中国や財政・貿易赤字の拡大続く米国など、懸念材料も多く、先行きは不透明と言える。

今後は現在の好循環の回復傾向を長期安定成長の軌道へと導いていかねばならない。そのため、企業は積極的な研究開発の推進、リストラや事業・組織の見直しによる企業体質の強化等により国際競争力の維持・強化を一層進めることが必要である。また、政府は税・財政改革、社会保障制度の見直し等更なる構造改革を推進し、国民が安心できる将来に亘って持続可能な諸制度を早期に構築する必要がある。

我々機械工業は日本産業の中核として、日本経済を牽引することが求められている一方、欧米や中国を始めとするアジア企業との厳しい国際競争を展開している。我々企業が国際競争を勝ち抜くための競争力を強化するには、今後更なる自助努力を行う必要があるが、政府による政策の支援も非常に重要である。

なかでも、税制面での支援策はその効果が大きい。平成15年度に創設されたIT投資促進税制及び抜本強化された研究開発促進税制は企業経営の効率化や研究開発投資を促進し、企業競争力を大いに高めるとともに、現在の活発な設備投資を誘発する原動力となっている。また、平成10年度以降順次実施された法人税率の引き下げ、組織再編税制や連結納税制度の導入など一連の税制改革は、企業活力の向上に大いに貢献している。一方、連結納税制度の選択を狭める付帯条件や制限措置を始め、国際的に類例をみない年金資産に対する特別法人税、欧米諸国に比べ著しく不利な減価償却制度や国際課税制度など、健全な企業活動を阻害し、国際競争力の向上を妨げ、もしくは低下させる税制もあり、早期の是正が望まれる。また、今年2月の京都議定書の発効を受け、導入議論が高まっている環境税は、企業の競争力を低下させ、産業の活力を奪う一方、その効果が不明確であるため、反対である。

企業活力を向上させ、健全なる事業活動を実現するため、以下に平成18年度の税制改正における要望項目をとりまとめ、その実現を強く要望する。

重点要望項目

 

 1. 研究開発促進税制の税額控除率上乗せ措置等の適用期限の延長
 2. IT投資促進税制の適用期限の延長
 3. 連結納税制度の改善
  連結グループ会社間の寄付金損金不算入制度の廃止
  適用開始時・加入時の子会社の未処理欠損金の繰越控除の容認
  申告・納税期限の延長  
  連結納税の適用対象子会社の見直し  
  一定の会社・資産に関する時価評価制度の見直し  
  地方税(法人住民税、法人事業税)における連結納税制度の導入  
  連結納税制度採用会社に対するその他の不利な取り扱いの見直し
  その他の規定の改善及び納税実務等を配慮した見直し  
 4. 減価償却制度の改善
  (1) 減価償却残存価額及び償却可能限度額の見直し
  (2) 減価償却資産分類の簡素化
  (3) 早期償却に向けた制度の導入
  (4) 少額減価償却資産の損金算入限度額の引き上げ
  (5) 研究開発専用設備及びソフトウエアの即時償却の容認
 5. 国際関連税制の拡充、改善
  (1) 外国税額控除制度の拡充
  (2) 特定外国子会社に係る所得課税の特例(タックスヘイブン課税)の改善
 6. 環境税の導入反対
 7. 会社法制定に対応した税法上の扱いの見直し
  (1) 合同会社(日本版LLC)税制の創設
  (2) 三角組織再編に係る課税繰延べの特例措置の創設
 8. 組織再編税制の整備
  (1) 適格組織再編に係る要件の明確化
  (2) 時価評価算定方法の明確化
 9. 地方法人課税全体の抜本的見直し
10. 法人税等実効税率の引き下げ
11. 欠損金の繰戻し還付の復活及び還付期間の延長
12. 企業年金積立金に対する特別法人税の廃止
13. 租税特別措置の適用期限の延長等
  (1)  エネルギー需要構造改革投資促進税制の適用期限の延長
  (2)  中小企業投資促進税制の適用期限の延長等
14. 受取配当金の益金不算入制度の改善
15. 企業会計制度改革(不良債権・不良資産等の処理促進)に対応した税制措置の整備
  (1) 民法上有効な意思表示に基づく非関連者間の債権の切り捨て、債権放棄 並びに債権譲渡の税務上の容認
  (2) 子会社等の整理・支援損に係る取扱いの緩和
  (3) デット・エクイティ・スワップ(DES)に関する債権譲渡損計上の取り扱いの見直し
  (4) イラク債権等、特定海外債権に係る債権金額の貸倒引当金計上の容認
  (5) 貸倒引当金個別評価の基準見直し
  (6) 有価証券評価損に係る判定要件の緩和、並びに損金経理要件の撤廃
  (7) 金銭債権の評価損の損金算入の容認
  (8) 棚卸資産評価損の基準見直し



その他要望項目

 

(国税関係)

 1.産業全般に関する税制
(1) 長期大規模工事以外の赤字工事についての進行基準経理の容認
  (2) 工事進行基準経理による工事未収入金の貸倒引当金対象債権化
  (3) 確定拠出年金制度の改善
  (4) ストックオプション制度の税制面での改善
  (5) 役員賞与の損金算入
  (6) 会社更生法等のもとでの再建途中時の延納制度の創設
  (7) 電話加入権の損金算入
 
 2.環境・エネルギー対策の推進に関する税制
  (1) 特定設備等(公害防止用、産業廃棄物処理等)の特別償却制度の適用期限の延長
  (2) 家庭系PCリサイクルにおける販売時徴収金に対する準備金制度の創設
  (3) 省エネルギー機器製造業者へのインセンティブ付与
 
 3.税制の簡素化、合理化など、その他の税制
  (1) 法人税の法定納付期限の延長
  (2) 消費税の申告・法定納付期限の延長
  (3) 寄付金の損金算入枠の拡大
  (4) 法人住民税均等割の損金算入
  (5) 印紙税の抜本的見直し・廃止
  (6) 交際費損金不算入の不合理の改善
  (7) 会社が負担する海外個人所得税の非課税化
  (8) 国内源泉所得を租税条約の規定で読み替える場合の、駐在員事務所での設備の使用料の除外
  (9) 事業再編における減価償却費・準備金繰入の期中損金算入等届出手続きの見直し
  (10) 土地の譲渡等に係る重課制度の廃止
  (11) 地価税の廃止
  (12) 不動産取引に係る税制の特例措置の適用期限の整合化
  (13) 特定資産の買換えの場合の圧縮記帳制度の期限延長
  (14) 借地権課税における相当の地代価額の引き下げ
  (15) 法人税上、未経過固定資産税を資産の譲渡対価として扱わないことの通達による明確化
 
 (地方税関係)
  (1) 分割法人における地方税納付先の一本化、納付手続きの簡素化
  (2) 固定資産税・都市計画税の抜本的見直し
  (3) 特別土地保有税の廃止
  (4) 法人事業税並びに住民税法人税割の超過税率の撤廃
  (5) 建設工事現場等の法人事業税・住民税に対する課税対象判定期間の改善
  (6) 法人住民税均等割の適正課税
  (7) 事業所税の廃止あるいは事業所税の免税点判定における「みなし共同事業」要件基準の見直し
  (8) 連結納税法人に対する地方税中間申告の仮決算方式の導入及び中間申告期限の延長
  (9) 非住宅用地の固定資産税負担の適正化
  (10)  地方税独自課税(法定外普通税等)への対応
  (11) 低燃費・低公害車に対する軽減措置の延長等
  (12) 課税自主権等に係る要望
  (13) 外形標準課税に関する資本等の金額に関する特例措置の無期限化