平成21年度 税制改正要望

トピックス

平成21年度税制改正に対する機械業界の要望を提出

日機連では、税制金融政策特別委員会(委員長・髙尾光俊川崎重工業㈱代表取締役常務財務経理部長)を中心に来年度税制改正について要望を検討していたが、9月19日、要望書「平成21年度税制改正に対する機械業界の要望」を自由民主党、経済産業省、財務省、総務省および環境省等関係方面に提出し、善処方を要請した。

要望書は、海外子会社からの配当所得に係る益金不算入制度の創設等国際関連税制の見直し・改善、連結納税制度の改善、減価償却制度の見直し、法人税等実効税率の引き下げ、環境税の導入反対、地方法人課税全体の抜本的見直し、受取配当金の益金不算入制度の改善、企業会計制度改革に対応した税制措置の整備の12項目を重点要望とし、その他国税関係26項目、地方税関係11項目等機械業界の共通項目から構成されている。


平成21年度税制改正に対する機械業界の要望

我が国経済は、ここ数年比較的安定した成長を続けてきたが、今年4-6月期の実質国内総生産(GDP)は4四半期ぶりにマイナス成長に転じた。経済成長の牽引役であった輸出、民間設備投資及び個人消費の何れもが落ち込み、政府や日銀の報告では、景気はピークアウトし、後退局面に陥ったとみられる。世界経済も米国経済の減速、エネルギー・原材料価格の高騰、乱高下する株価動向など、依然として予断を許さない状況が続いている。

また、我が国を巡る経済社会環境は、急速な少子・高齢化による人口減少が進む一方、企業活動や資金移動のグローバル化が進展するなど、かつてない厳しい状況に直面しているが、我々はこれらの困難を乗り越え、将来に亘る我が国経済の持続的成長を確保しなくてはならない。そのためには、企業は積極的な研究開発の推進、事業・組織の見直しによる企業体質の強化等により国際競争力の維持・強化を一層進める一方、政府は「景気浮揚」と「財政再建」の同時実現を目指して、経済財政改革を確実に進め、国民が安心できる社会システムを早期に構築することが必要である。

我々機械工業は日本の産業の中核として、日本経済を牽引していくことが求められるが、BRICs等の新興国の台頭は著しく、企業は今後一層厳しい国際競争に直面せざるを得ない。このような状況下では我々企業の自助努力だけでは世界に向けて十分に力を発揮することは難しく、政府による政策の支援が非常に重要である。

なかでも、税制面での支援策はその効果が大きい。海外事業が拡大する中、海外に留保されている我が国企業の海外利益の国内環流を促進する措置として、海外子会社からの配当所得に係る益金不算入制度(国外所得免除方式)を創設されたい。また、我が国の法人実効税率は世界で最高水準にあり、我が国企業の国際競争力の確保および国内投資促進のために法人税等実効税率の引き下げを検討されたい。さらに、受取配当金の益金不算入制度により企業は二重課税を賦課されており、連結納税制度では依然として制限措置が改善されないなど税制上の課題は未だに多く残っており、より柔軟な法整備が求められる。また、環境税は国民生活に多大な影響をもたらし、企業の競争力を低下させて産業の活力を奪う一方、効果が不明確であるため、その導入には反対する。

企業活力を向上させ、健全なる事業活動を実現するため、以下に平成21年度の税制改正における要望項目をとりまとめ、その実現を強く要望する。

重点要望項目(PDF253KB)

 1. 国際関連税制の見直し、改善
  (1) 海外子会社からの配当所得に係る益金不算入制度の創設(国外所得免除方式の導入)
  (2) 外国税額控除制度の見直し
 
  • 控除限度超過額の繰越期間の延長
  • 控除限度超過額の繰越期間経過後の損金算入の容認
  • 外国税額控除の控除限度額の拡充
  (3) 特定外国子会社に係る所得課税の特例(タックスヘイブン課税)の改善
 
  • 欠損金の合算の容認
  • 軽減税率国の判定基準の引き下げ
  • 指定国制度の復活による軽課税国の明確化または標準税率による判定
  • 適用除外基準の緩和
  (4) 移転価格税制関連諸規定の整備
   
 2. 連結納税制度の改善
  (1) 連結グループ会社間寄付金の全額損金不算入制度の廃止
  (2) 適用開始時・加入時の子会社の未処理欠損金の繰越控除の容認
  (3) 申告・納税期限の延長  
  (4) 連結納税の適用対象子会社の見直し  
  (5) 連結納税の開始時・加入時に伴う資産の時価評価の除外要件の緩和  
  (6) 地方税(法人住民税、法人事業税)における連結納税制度の導入  
  (7) 資本金1億円以下の連結対象子会社の交際費の損金算入の容認
     
 3. 減価償却制度の見直し
  (1) 少額減価償却資産の損金算入限度額の引き上げ
  (2) 研究開発専用設備及びソフトウエアの即時償却の容認
  (3) 機械設備等の償却資産税の評価額算定法の見直し
  (4)  減価償却費に関する損金経理要件の廃止または緩和
   
 4. 法人税等実効税率の引き下げ
   
 5. 環境税の導入反対
   
 6. 地方法人課税全体の抜本的見直し
   
 7. 受取配当金の益金不算入制度の改善
   
 8. 企業会計制度改革(不良債権・不良資産などの処理促進)に対応した税制措置の整備
  (1)   民法上有効な意思表示に基づく非関連者間の債権の切り捨て、債権放棄並びに債権譲渡の税務上の容認
  (2) 子会社等の整理・支援損に係る取扱いの緩和
  (3) 個別評価の貸倒引当金の基準及び損金算入要件の見直し
  (4) 有価証券評価損に係る判定要件の緩和並びに損金経理要件の撤廃
  (5) 金銭債権の評価損の損金算入の容認
   


その他要望項目(PDF269KB)

 (国税関係)
 1.産業全般に関する税制
(1) 欠損金の繰戻し還付の復活及び還付期間の延長並びに繰越控除期間の延長
  (2) 企業年金積立金に対する特別法人税の廃止
  (3) 合同会社(日本版LLC)税制の創設
  (4) 適格組織再編に係る適格性判定要件の明確化
  (5) 時価評価算定方法の明確化
  (6) 特定資産の買換えの場合の圧縮記帳制度の恒久化または適用期限の延長
  (7) 確定拠出年金制度の改善
  (8) 役員賞与の損金算入要件の緩和
  (9) 電話加入権の損金算入
  (10) 中小企業投資促進税制の拡充
  (11) 独立行政法人日本貿易保険の株式会社化に関する法人税等の非課税措置について
  (12) 資源価格の全面的な高騰への対応として行う事業の省エネルギー・新エネルギー・省資源化のための設備投資や組織再編等を支援する税制措置の創設
  (13) 産業活力再生特別措置法に係る租税特別措置の期限延長、拡充および創設
  (14) 地域・中小企業の再生を促進するための企業再生税制の適用要件の拡充等
 
 2.環境・エネルギー対策の推進に関する税制
  (1) 特定設備等(公害防止用、産業廃棄物処理等)の特別償却制度の適用期限の延長
  (2) 地球温暖化防止、環境改善関連の新製品開発への優遇税制の創設
 
 3.技術の革新に関する税制
  (1) 研究開発促進税制の拡充
 
  • 試験研究費の税額控除限度額の引き上げ
  • 試験研究費の繰越税額控除限度超過額の控除適用要件の緩和及び繰越可能期間の延長
  (2) 電子計算機買戻損失準備金制度の適用期限の延長
  (3) 事業革新設備の特別償却制度の適用期限の延長
  (4) 事業基盤強化設備を取得した場合の特別償却・税額控除制度(中小企業等基盤強化税制)の適用期限の延長
     
 4.税制の簡素化、合理化など、その他の税制
  (1) 法人税の法定納付期限の延長
  (2) 消費税の申告・法定納付期限の延長
  (3) 寄付金の損金算入枠の拡大
  (4) 法人住民税均等割の損金算入
  (5) 印紙税の抜本的見直し・廃止
  (6) 交際費損金不算入の不合理の改善
  (7) 会社が負担する海外個人所得税の非課税化
  (8) 国内源泉所得を租税条約の規定で読み替える場合の、駐在員事務所などでの設備の使用料の除外
  (9) 事業再編における減価償却費・準備金繰入の期中損金算入など届出手続きの見直し
  (10) 土地の譲渡等に係る重課制度の廃止
  (11) 地価税の廃止
  (12) 不動産取引に係る税制の特例措置の適用期限の整合化
  (13) 借地権課税における相当の地代価額の引き下げ
  (14) 法人税上、未経過固定資産税を資産の譲渡対価として扱わないことの通達による明確化
 
 (地方税関係)
  (1) 分割法人における地方税納付先の一本化、納付手続きの簡素化
  (2) 固定資産税・都市計画税の抜本的見直し
  (3) 特別土地保有税の廃止
  (4) 法人事業税並びに住民税法人税割の超過税率の撤廃
  (5) 建設工事現場等の法人事業税・住民税に対する課税対象判定期間の改善
  (6) 法人住民税均等割の適正課税
  (7) 事業所税の廃止あるいは事業所税の免税点判定における「みなし共同事業」要件基準の見直し
  (8) 連結納税法人に対する地方税中間申告の仮決算方式の導入及び中間申告期限の延長
  (9) 非住宅用地の固定資産税負担の適正化
  (10) 地方税独自課税(法定外普通税等)への対応
  (11) 外形標準課税の見直し

 

税制改正トップへ