平成22年度 税制改正要望

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平成22年度税制改正に対する機械業界の要望を提出

日機連では、税制金融政策特別委員会(委員長・髙尾光俊川崎重工業㈱代表取締役常務企画管理本部長)を中心に検討、とりまとめた平成22年度税制改正についての日機連要望を10月8日、経済産業省に提出した。

要望内容は、法人税等実効税率の引き下げ、研究開発税制の拡充・延長、情報基盤強化税制の拡充・延長、欠損金の繰戻し還付の復活及び還付期間の延長並びに繰越控除期間の延長、連結納税制度の改善、減価償却制度の見直し、国際関連税制の見直し・改善、受取配当金の益金不算入制度の改善、地球温暖化対策の新税導入反対、地方法人課税全体の抜本的見直し、企業会計制度の見直し及び国際会計基準とのコンバージェンスの進展に改革に対応した税制措置の整備等の12項目を重点要望とし、その他国税関係28項目、地方税関係11項目等機械業界の共通項目から構成されている。


平成22年度税制改正に対する機械業界の要望

 米国発の金融危機は実体経済にも大きな影響を与え、世界同時不況に陥っている。我が国経済も世界的な需要減少に伴う輸出の失速などにより企業業績は著しく悪化し、設備投資の減少、所得・雇用機会の縮小に伴う個人消費の低迷など内需も勢いを失っている。今年4-6月期の実質国内総生産(GDP)は中国などアジア向け輸出の回復、緊急経済対策効果で公共投資や個人消費が伸びて5四半期ぶりにプラスとなったものの、先行きは全く不透明であり、我が国経済の光明は見えていない。

加えて、我が国を巡る経済社会環境は大きな課題を抱えている。中国など新興諸国との競争激化、急速な少子・高齢化による人口減少社会の到来、低炭素化社会に向けての対応である。それぞれが容易に解決できない難題ではあるが、我々はこれらの困難を乗り越え、将来に亘る我が国経済の持続的成長を確保しなくてはならない。そのためには、企業は積極的な研究開発の推進、事業・組織の見直しによる企業体質の強化などにより国際競争力の維持・強化を一層進める一方、政府は「景気浮揚」と「経済財政改革」を確実に進め、国民が安心できる社会システムを早期に構築することが必要である。

我々機械工業は日本の産業の中核として、日本経済を牽引していくことが求められるが、BRICs等の新興国の台頭は著しく、企業は今後一層厳しい国際競争に直面せざるを得ない。このような状況下、特に今回の不況で厳しい事業運営を余儀なくされており、我々企業の自助努力だけでは世界に向けて十分に力を発揮することは難しく、政府による政策の支援が非常に重要である。

我が国経済の再生のためには、積極的な研究開発や設備投資、外国企業の国内誘致など国内での企業活動の活発化が不可欠であるが、世界で最高水準にある我が国の法人実効税率は大きな阻害要因となっており、法人税等実効税率の引き下げを検討されたい。また、欠損金の扱いも海外諸国並みに改善して頂きたい。加えて、受取配当金の益金不算入制度が十分でないことによる二重課税の問題や、連結納税制度において依然として残る制限措置の問題など、税制上の課題は未だに多く残っており、より柔軟な法整備をお願いしたい。このように税制面で海外諸国と大きな格差がある状況下、京都議定書の目標達成のために検討されている地球温暖化対策としての新税は、企業の競争力を低下させて産業の活力を奪い、国民生活に多大な影響をもたらす一方、効果が不明確であるため、その導入には反対する。

企業活力を向上させ、健全なる事業活動を実現し、もって我が国経済の早期回復と将来に向けての持続的な成長を確保するため、以下に平成22年度の税制改正における要望項目をとりまとめ、その実現を強く要望する。

 

重点要望項目(PDF260KB)

 1. 法人税等実効税率の引き下げ
   
 2. 研究開発税制の拡充、延長
  (1) 税額控除限度額の引き上げ
  (2) 上乗せ措置(増加型・高水準型)の拡充、延長
  (3) 控除限度超過額の繰越期間の延長
  (4) 控除限度超過額の繰越要件の撤廃
   
 3. 情報基盤強化税制の拡充、延長
   
 4. 欠損金の繰戻し還付の復活及び還付期間の延長並びに繰越控除期間の延長
   
 5. 連結納税制度の改善
  (1) 連結グループ会社間寄付金の全額損金不算入制度の廃止
  (2) 適用開始時・加入時の子会社の未処理欠損金の持ち込みの容認
  (3) 申告・納税期限の延長
  (4) 連結納税の適用対象子会社の見直し
  (5) 連結納税の開始時・加入時に伴う資産の時価評価の撤廃あるいは除外要件の緩和
  (6) 地方税(法人住民税、法人事業税)における連結納税制度の導入
  (7) 資本金1億円以下の連結対象子会社の交際費の損金算入の容認
  (8) 収用換地等の場合の連結所得特別控除の不利な扱いの是正
     
 6. 減価償却制度の見直し
  (1) 少額減価償却資産の損金算入限度額の引き上げ
  (2) 研究開発専用設備及びソフトウエアの即時償却の容認
  (3) 機械設備等の償却資産税の評価額算定法の見直し
  (4)  減価償却費に関する損金経理要件の廃止または大幅緩和
   
 7. 国際関連税制の見直し、改善
  (1) 外国税額控除制度の見直し
 
 控除限度超過額の繰越期間の延長
 
 控除限度超過額の繰越期間経過後の損金算入の容認
 
 外国税額控除の控除限度額の拡充
  (2) 特定外国子会社に係る所得課税の特例(タックスヘイブン課税)の改善
 
 欠損金の合算の容認
 
 軽減税率国の判定基準の引き下げ
 
 ホワイトリストの導入による軽課税国の明確化又は標準税率による判定
 
 適用除外基準の緩和
 
 合算対象所得から除外される孫会社要件の緩和
 
 持株割合要件の引き上げ
  (3) 移転価格税制の見直し
 
 移転価格税制関連諸規定及び手続きの整備
 
 持分基準の見直し
   
 8. 受取配当金の益金不算入制度の改善
   
 9. 地球温暖化対策としての新税の導入反対  
   
10.  地方法人課税全体の抜本的見直し  
   
11. 企業会計制度の見直し及び国際会計基準とのコンバージェンスの進展に対応した税制措置の整備(不良債権・不良資産などの処理促進を中心に)
  (1)   個別評価の貸倒引当金の基準及び損金算入要件の見直し
  (2) 有価証券評価損に係る判定要件の緩和並びに損金経理要件の撤廃
  (3) 金銭債権の評価損の損金算入の容認
  (4) 棚卸資産評価損の計上の容認
  (5) デュープロセスを経た会計処理の計上の容認
   
12. (1) 民法上有効な意思表示に基づく非関連者間の債権の切り捨て、債権放棄並びに債権譲渡の税務上の容認
  (2) 子会社等の整理・支援損に係る取扱いの緩和


その他要望項目(PDF239KB)

 (国税関係)
 1.産業全般に関する税制
(1) 企業年金積立金に対する特別法人税の廃止
  (2) 合同会社(日本版LLC)税制の創設
  (3) 適格組織再編に係る適格性判定要件の明確化
  (4) 時価評価算定方法の明確化
  (5) 特定資産の買換えの場合の圧縮記帳制度の恒久化
  (6) 確定拠出年金制度の改善
  (7) 役員賞与の損金算入要件の緩和
  (8) 電話加入権の損金算入
  (9) 中小企業投資促進税制の延長、拡充
  (10) 国外子会社に係る受取配当金の益金不算入制度の改善
  (11) 100%グループにおける資産の移転に係る税制の整備
  (12) 減損損失の損金算入の容認
 
 2.環境・エネルギー対策の推進に関する税制
  (1) 特定設備等(公害防止用、産業廃棄物処理等)の特別償却制度の適用期限の延長
  (2) 地球温暖化防止、環境改善関連の新製品開発への優遇税制の創設
 
 3.税制の簡素化、合理化など、その他の税制
  (1) 法人税の法定納付期限の延長
  (2) 消費税の申告・法定納付期限の延長
  (3) 寄付金の損金算入枠の拡大
  (4) 法人住民税均等割の損金算入
  (5) 印紙税の抜本的見直し・廃止
  (6) 交際費損金不算入の不合理の改善
  (7) 会社が負担する海外個人所得税の非課税化
  (8) 国内源泉所得を租税条約の規定で読み替える場合の、駐在員事務所などでの設備の使用料の除外
  (9) 事業再編における減価償却費・準備金繰入の期中損金算入など届出手続きの見直し
  (10) 土地の譲渡等に係る重課制度の廃止
  (11) 地価税の廃止
  (12) 不動産取引に係る税制の特例措置の適用期限の整合化
  (13) 借地権課税における相当の地代価額の引き下げ
  (14) 法人税上、未経過固定資産税を資産の譲渡対価として扱わないことの通達による明確化
  (15) 更正の請求の期間延長
 
 (地方税関係)
  (1) 分割法人における地方税納付先の一本化、納付手続きの簡素化
  (2) 固定資産税・都市計画税の抜本的見直し
  (3) 特別土地保有税の廃止
  (4) 法人事業税並びに住民税法人税割の超過税率の撤廃
  (5) 建設工事現場等の法人事業税・住民税に対する課税対象判定期間の改善
  (6) 法人住民税均等割の適正課税
  (7) 事業所税の廃止あるいは事業所税の免税点判定における「みなし共同事業」要件基準の見直し
  (8) 連結納税法人に対する地方税中間申告の仮決算方式の導入及び中間申告期限の延長
  (9) 非住宅用地の固定資産税負担の適正化
  (10) 地方税独自課税(法定外普通税等)への対応
  (11) 事業税外形標準課税の見直し

 

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