平成23年度 税制改正要望

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平成23年度税制改正に対する機械業界の要望を提出

日機連では、税制金融政策特別委員会(委員長・髙尾光俊川崎重工業㈱代表取締役常務企画本部長)を中心に平成23年度税制改正についての日機連要望を検討、とりまとめ、7月27日に経済産業省に提出した。

要望内容は、法人税等実効税率の引き下げ、研究開発税制の拡充、欠損金の繰戻し還付の復活及び還付期間の延長並びに繰越控除期間の延長、連結納税制度の改善、減価償却制度の改善、国際関連税制の見直し・改善、受取配当金の益金不算入制度の改善、地球温暖化対策の新税の導入反対、地方法人課税全体の抜本的見直し、申告・納税方法の簡素化の推進、企業会計制度の見直し及び国際会計基準とのコンバージェンスの進展に対応した税制措置の整備等の11項目を重点要望とし、その他国税関係30項目、地方税関係12項目等機械業界の共通項目から構成されている。


平成23年度税制改正に対する機械業界の要望

我が国経済は、一昨年後半の金融危機後の世界同時不況によりかつてない困難を経験した後、今年1-3月期の国内総生産(GDP)が4四半期連続でプラス成長となるなど、持ち直しの兆しが出ている。しかし、今回の景気回復は主として中国を中心とする新興国向けの輸出増加と政府の経済対策効果によるものと考えられ、未だ自律的な経済回復には至っていない。海外景気の下振懸念、金融資本市場の変動やデフレの影響など景気の下押しリスクが存在し、雇用情勢の悪化懸念も残り、加えて深刻化する資源高や円高は企業業績の悪化要因となるなど、今後の見通しは不透明である。

また、我が国を巡る経済社会環境は、急速な少子・高齢化による人口減少が進む一方、中国・韓国等の新興諸国との競争が激化するなど、非常に厳しい状況に直面している。世界での日本の経済的地位も低下が続いている。しかし、我々はこれらの困難を乗り越え、将来に亘る我が国経済の持続的成長を確保しなくてはならない。そのためには、企業は積極的な研究開発の推進、事業・組織の見直しなどにより国際競争力の強化を進めるとともに雇用の確保に努め、一方、政府は経済成長戦略を早期に実行するとともに、財政再建、社会保障の確保のために消費税率引上げも含めた抜本的な税制改革を実施し、国民が安心できる社会システムを早期に構築することが必要である。

我々機械工業は日本の産業の中核として、日本経済を牽引していくことが求められるが、海外主要国は特に金融危機後、新産業誘致に向けた産業政策を積極化するとともに、海外の大規模案件の受注に向けて官民一体の取り組みを強化するなど、国を挙げて産業の競争力強化を進めており、 我が国企業は非常に厳しい国際競争を余儀なくされている。このように新たなグローバル競争が始まった状況下、我々企業の自助努力だけでは世界に向けて十分に力を発揮することは難しく、「オールジャパン」の体制構築、税制面での優遇や規制緩和など政府による積極的な支援が非常に重要である。

我が国経済の活性化のためには、積極的な研究開発や設備投資、外国企業の国内誘致など国内での企業活動の活発化が不可欠であるが、我が国の法人実効税率は世界で最高水準にあるため、海外からの投資は進まず、海外への流出は拡大している。我が国の立地競争力の向上のため、法人税等実効税率を国際水準にまで早期に引き下げることが不可欠と考える。また、欠損金の扱いは海外諸国に比べてハンディを負っており、受取配当金の益金不算入制度が十分でないことによる二重課税の問題や連結納税制度において依然として残る制限措置の問題など、税制上の課題は未だに多く、より柔軟な法整備をお願いしたい。 以上、税制面で海外諸国と大きな格差がある状況下、地球温暖化対策として検討されている新税は、国民生活や中小企業に多大な影響をもたらす一方、効果が不明確であるため、十分な検討と国民の理解を得ずにしての導入には反対する。

企業活力を向上させ、健全なる事業活動を実現し、もって我が国経済の早期回復と将来に向けての持続的な成長を確保するため、以下に平成23年度の税制改正における要望項目をとりまとめ、その実現を強く要望する。

 

重点要望項目(PDF260KB)

 1. 法人税等実効税率の引き下げ
   
 2. 研究開発税制の拡充
  (1) 税額控除限度額の引き上げ
  (2) 上乗せ措置(増加型・高水準型)の恒久化
  (3) 控除限度超過額の繰越期間の延長
  (4) 控除限度超過額の繰越要件の撤廃
   
 3. 欠損金の繰戻し還付の復活及び還付期間の延長並びに繰越控除期間の延長
   
 4. 連結納税制度の改善
  (1) 申告・納税期限の延長
  (2) 連結納税の適用対象子会社の見直し
  (3) 連結納税の開始時・加入時に伴う資産の時価評価の撤廃あるいは除外要件の緩和
  (4) 地方税(法人住民税、法人事業税)における連結納税制度の導入
  (5) 資本金1億円以下の連結対象子会社の交際費の損金算入の容認
  (6) 収用換地等の場合の連結所得特別控除の不利な扱いの是正
     
 5. 減価償却制度の見直し
  (1) 少額減価償却資産の損金算入限度額の引き上げ
  (2) 研究開発専用設備及びソフトウエアの即時償却の容認
  (3) 償却資産税の廃止も含めたあり方の検討、機械設備等の償却資産税の評価額算定法の見直し
  (4) 減価償却費に関する損金経理要件の廃止または大幅緩和
  (5) 250%定率法の維持
   
 6. 国際関連税制の見直し、改善
  (1) 外国税額控除制度の見直し
 
 控除限度超過額の繰越期間の延長
 
 控除限度超過額の繰越期間経過後の損金算入の容認
 
 外国税額控除の控除限度額の拡充
  (2) 特定外国子会社に係る所得課税の特例(タックスヘイブン課税)の改善
 
 欠損金の合算の容認
 
 ホワイトリストの導入による軽課税国の明確化又は標準税率による判定
 
 合算対象所得から除外される孫会社要件の緩和
  (3) 移転価格税制の見直し
 
 移転価格税制関連諸規定及び手続きの整備
 
 持分基準の見直し
  (4) 二国間租税条約の締結及び改訂の促進
  (5) 国外子会社に係る受取配当金の益金不算入制度の改善
   
 7. 受取配当金の益金不算入制度の改善
   
 8. 地球温暖化対策としての新税の導入反対  
   
 9. 地方法人課税全体の抜本的見直し、申告・納税方法の簡素化の推進 
   
10. 企業会計制度の見直し及び国際会計基準とのコンバージェンスの進展に対応した税制措置の整備(不良債権・不良資産などの処理促進を中心に)
  (1)   個別評価の貸倒引当金の基準及び損金算入要件の見直し
  (2) 有価証券評価損に係る判定要件の緩和並びに損金経理要件の撤廃
  (3) 金銭債権の評価損の損金算入の容認
  (4) 棚卸資産評価損の計上の容認
  (5) デュープロセスを経た会計処理の計上の容認
   
11. (1) 民法上有効な意思表示に基づく非関連者間の債権の切り捨て、債権放棄並びに債権譲渡の税務上の容認
  (2) 子会社等の整理・支援損に係る取扱いの緩和


その他要望項目(PDF245KB)

 (国税関係)
 1.産業全般に関する税制
(1) 企業年金積立金に対する特別法人税の廃止
  (2) 合同会社(日本版LLC)税制の創設
  (3) 適格組織再編に係る適格性判定要件の明確化
  (4) 時価評価算定方法の明確化
  (5) 特定資産の買換えの場合の圧縮記帳制度の恒久化
  (6) 確定拠出年金制度の改善
  (7) 役員賞与の損金算入要件の緩和
  (8) 電話加入権の損金算入
  (9) 減損損失の損金算入の容認
  (10) 中小企業基盤強化税制の期限延長
  (11) 「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」に係る税制措置(事業革新設備の導入、資源生産性革新計画、資源制約対応製品等導入計画に関する特別償却制度)の適用期限の延長
 
 2.環境・エネルギー対策の推進に関する税制
  (1) 特定設備等(公害防止用、産業廃棄物処理等)の特別償却制度の適用期限の延長
  (2) 地地球温暖化防止、環境改善関連の新製品開発への優遇税制の創設
  (3) エネルギー需給構造改革投資促進税制における初年度即時償却の適用期限の延長及び対象設備の拡充
 
 3.税制の簡素化、合理化など、その他の税制
  (1) 法人税の法定納付期限の延長
  (2) 消費税の申告・法定納付期限の延長
  (3) 寄付金の損金算入枠の拡大
  (4) 法人住民税均等割の損金算入
  (5) 印紙税の抜本的見直し・廃止
  (6) 交際費損金不算入の不合理の改善
  (7) 会社が負担する海外個人所得税の非課税化
  (8) 国内源泉所得を租税条約の規定で読み替える場合の、駐在員事務所などでの設備の使用料の除外
  (9) 事業再編における減価償却費・準備金繰入の期中損金算入など届出手続きの見直し
  (10) 土地の譲渡等に係る重課制度の廃止
  (11) 地価税の廃止
  (12) 不動産取引に係る税制の特例措置の適用期限の整合化
  (13) 借地権課税における相当の地代価額の引き下げ
  (14) 法人税上、未経過固定資産税を資産の譲渡対価として扱わないことの通達による明確化
  (15) 更正の請求の期間延長
  (16) 社会保障・税共通の番号制度の早期導入
 
 (地方税関係)
  (1) 固定資産税・都市計画税の抜本的見直し
  (2) 特別土地保有税の廃止
  (3) 法人事業税並びに住民税法人税割の超過税率の撤廃
  (4) 建設工事現場などの法人事業税・住民税に対する課税対象判定期間の改善
  (5) 法人住民税均等割の適正課税
  (6) 事業所税の廃止あるいは事業所税の免税点判定における「みなし共同事業」要件基準の見直し
  (7) 連結納税法人に対する地方税中間申告の仮決算方式の導入及び中間申告期限の延長
  (8) 非住宅用地の固定資産税負担の適正化
  (9) 地方税独自課税(法定外普通税等)への対応
  (10) 事業税外形標準課税の見直し
  (11) 電気自動車・天然ガス自動車等低公害車の燃料供給設備に係る軽減措置の拡充、延長

 

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