第110号(2015年10月29日)

5.自動車・航空機

 

 中国の車載ソフトウエア開発会社の武漢光庭信息技術(武漢市)は名古屋市に拠点を設置した。トヨタ自動車グループとの取引拡大が狙い。日産自動車など日系メーカーとの取引も多く、売上高約30億円のうち6―7割は日系企業向け。(記事18

 中国航空工業集団は新型国産ターボプロップ小型旅客機「新舟700」が国内外の11社から185機の受注を得たと公表した。2017年にラインオフ及び初飛行、2019年に顧客への引き渡しを予定。(記事19

 中国工業情報化部が公表した7月の自動車生産販売台数は前月比でそれぞれ18%、17%下降した。メーカーの二極化も進行している。今年1〜6月の重点企業グループの売上高は前年同月比1.1%減の計1兆5126億1300万元。(記事20

 中国が自主開発した地域路線用ジェット機がデモ飛行を完了し、11月末までに成都航空に引き渡されデビューする見込みとなった。(記事21

 今年前半の統計をみると、中国はすでに米国を抜き、世界最大の新エネ自動車市場となった。今年の販売台数は20万台を超えるだろう。国務院は「中国製造2025」の中で、新エネ車を10大重点産業と位置付けており、2020年までに中国での新エネ車の販売台数は200万台に達する。新エネ車の普及を妨げているのは「走行距離の短さ」「充電時間の長さ」「アフターサービス拠点の少なさ」。(記事22

 


(記事18)中国・武漢光庭信息技術、名古屋に車載機器ソフト開発拠点
       −トヨタとの取引拡大狙う
 

(2015/8/11 日刊工業新聞)

 【名古屋】中国の車載ソフトウエア開発会社の武漢光庭信息技術(武漢市)は名古屋市に拠点を設置した。トヨタ自動車グループとの取引拡大が狙い。朱敦堯董事長(写真)は「自動運転技術も含めて(名古屋の顧客と)一緒に開発したい」と意気込みを語った。
 
 
 新設した拠点「光庭インフォー名古屋」(名古屋市中川区)は、東京都に次ぐ日本での2拠点目。年内をめどに日本人を含む5人のエンジニアを置き「2―3年後には30―50人規模にしていきたい」(朱董事長)という。

 武漢光庭はカーナビゲーションシステムなど車載機器のソフトや地図データの開発が主力。日産自動車など日系メーカーとの取引も多く、売上高約30億円のうち6―7割は日系企業向けが占めている。

 トヨタグループとも2―3年前から取引を開始。共同開発しやすいように名古屋市内に拠点を設けた。

 


(記事19)中国国産小型機「新舟700」、国内外11社から185機受注
 
(2015/8/19 新華社通信)
 

 中国航空工業集団(中航工業)は中国の新型国産ターボプロップ小型旅客機「新舟700」が国内外の11社から185機の受注を得たと公表した。8月18日、中国新聞網が伝えた。

 新舟700は2017年にラインオフ及び初飛行、2019年に顧客への引き渡しを予定している。

 プロジェクトの総責任者である董建鴻氏は「新舟700を計画通りに顧客に納品し、運航できるよう全力を尽くす」と述べた。

 


(記事20)7月の中国自動車生産販売台数二ケタ減
 
(2015/8/22 新華社通信)

 中国工業情報化部が公表した7月の自動車生産販売台数は前月比でそれぞれ18%、17%下降した。メーカーの二極化も進行している。8月21日、新京報が伝えた。

 中国汽車工業協会の統計では今年1〜6月の重点企業グループの売上高は前年同月比1.1%減の計1兆5126億1300万元。税引前利益は同3.3%減の計2847億6200万元だった。

 今年前半の決算を発表した中では天津一汽夏利汽車が赤字5〜5億7000万円を計上し、赤字幅を拡大した。中通客車の純利益も前年同期から8割近く減少し4096万〜5120万元だった。金杯汽車の自動車販売台数は同18.8%減少し、売上高は同16.87%減の22億6000万元だった。

 一方で江淮汽車の今年前半の純利益は同32%増の5億3700万元。同社の自動車販売は同16%増加し、中でもSUVが同536%増、純電気セダンが同470%増と好調だった。

 


(記事21)中国産小型ジェットARJ21−700Jが11月にも営業運航開始
 

(2015/8/31 新華社通信)

 

 中国が国際基準に基づいて自主開発した地域路線用ジェット機「ARJ21−700」が複数路線でデモ飛行を完了し、最初の5機が11月末までに成都航空に引き渡されデビューする見込みとなった。8月30日、央広網が伝えた。

 同機の座席は78〜90で、飛行距離は2225〜3700キロ。成都航空は30機を発注しており、引き渡しを受けた後に成都−上海浦東、南京、昆明、西安、貴陽、北京、武漢の7路線で使用する計画。

 


(記事22)今年前半の新エネ車販売数、世界一に
 

(2015/8/31 新華社通信)

 

 中国汽車工程学会の候福深副秘書長は29日、「中国(随州)専用汽車産業発展フォーラム2015」で、「今年前半の統計をみると、中国はすでに米国を抜き、世界最大の新エネ自動車市場となった。今年の販売台数は20万台を超えるだろう」と述べた。8月31日、新華網が伝えた。

 各種統計によると、今年前半の中国の新エネ自動車販売台数は7万2711台で、米国は5万2704台だった。.

 候福深副秘書長は「石油価格の下落などで、今年前半は米国、日本、欧州ともに新エネ自動車の販売台数が伸び悩んだが、中国は成長が加速している。国務院は「中国製造2025」の中で、新エネ車を10大重点産業と位置付けており、2020年までに中国での新エネ車の販売台数は200万台に達するだろう」と指摘した。

 今年8月に公表された「中国自動車消費者白書」によると、新エネ車の普及を妨げているのは「走行距離の短さ」「充電時間の長さ」「アフターサービス拠点の少なさ」だという。現在販売されている純電気自動車の走行距離は多くが150〜200キロで、消費者が希望する248キロとはなお開きがある。充電スタンドなど充電設備は増えているが、それでも自動車の増加には追いついていない。

 候福深副秘書長は「政策面から充電設備の整備を支援し、早期に市場化する必要がある」と述べた。

 


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